文房具と遊ぶ

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Herbin ムーンシャドウは大人なボルドー色

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こんにちは、クリポンです。
数年前から万年筆をよく使うようになりました。最も使うインクはエルバンです。日本のインクを使いたいなあ・・・と思っているのですが、フランスで買うと少々高めの値段になります。エルバンのインクの方が買いやすいんですよね。
今回は私のお気に入りの中から、エルバンの定番色の一つ「ムーンシャドウ」をご紹介しましょう。

 

渋い大人な色、エルバンのインク「ムーンシャドウ」

詩的なネーミング「Poussière de Lune」

エルバン Herbin は、フランスの老舗文房具メーカーです。インク好きなら知っている、黒い箱に入ったエルバン・インクは、現在35色が販売されています。淡い色からビビッドな色まで、海外メーカーならではの魅力的な色が揃っています。

  
エルバンのインクは、色ごとにネーミングがつけられており、それぞれが詩的な響きを持っています。何かこう・・・想像を掻き立てられるような、不思議な名前だったりもするんです。
今回ご紹介するムーンシャドウは、オリジナル名はフランス語「Poussière de Lune」です。

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ムーンシャドウはどんな色?

エルバンのムーンシャドウの色はこちらです。

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渋めの紫ですね。ワイン色、あるいはボルドーといったところでしょうか。万年筆で書くと、少し茶色がかった色のようにも見えます。特に細めのペン先を選ぶと、より渋さが目立って黒っぽく見えます。濃いめで見やすい色なので、普段の筆記用にも使いやすい色だと思います。
エルバンのインクボトルは30ml入りなので、使い切れない!という方もいらっしゃるでしょう。そんな場合は、小さなボトル10ml、またはカートリッジもあります。

 

 

 

「Poussière de Lune」という名前の謎

Poussière de Luneってどういう意味?

どうしてインクの名前が「Poussière de Lune」なのか。何を意味して、どんな色を表すのか分からなかったんです。実は「ムーンシャドウ」という名前は、仏語「Poussière de Lune」の直訳ではないんです。
ところで「lune」は「月」、「de」は「〜の」で、英語の前置詞ofと同じ意味になります。「poussière」は塵(ちり)とか埃(ほこり)といった意味があります。

「Poussière de Lune」を訳せば「月の塵」。英語で直訳するならば「ムーンダスト」と言うべきですね。

塵?埃?マイナスのイメージを持つ「Poussière」

余談になりますが、フランスで生活していると「poussière」という言葉をよく使います。poussièreと聞いて、まず頭に思い浮かぶのが、床の上にフワフワと漂っている塵や埃です。
そのためか、個人的にpoussièreという言葉は、マイナスのイメージが強い。どうしても「月の塵 Poussière de Lune」とは何なのか、イメージが湧かなかったのです。想像力がないんですよね、私。

フランス人もイメージできない色「Poussière de Lune」

そこでダンナさん(フランス人)なら分かるだろうと、Poussière de Luneとはどんな意味なのか、どんな色なのか聞いてみました。
即答でしたよ。「月面の塵、つまり月の表面にある砂のことじゃないの。インクの色は、つまり月の砂の色だろう」。
え、そうなの?あまりにも現実的すぎる答えに、ますます意味が分からなくなりました。
ダンナさんによれば、Poussière de Luneはフランスで日常的に使う色の表現ではないそうです。

Poussière de LuneでGoogle検索してみました。確かにトップに出てくる記事は、月の砂に関するものばかり。通常Poussière de Luneと言ったら、やはりダンナさんのように、月の砂(石?)を想像してしまうようです。
どうやらフランスではPoussière de Luneに関して、誰もが共通に持つ色のイメージはないようです。エルバンで独自に付けられた想像的な名前なんですね。

つまり「Poussière de Lune」とはどういう色?

どうも腑に落ちない。。。なぜPoussière de Luneなのか、どんな色を表すのか気になります。エルバンのサイトを調べてみたら、インクの色に関する説明がありました!
「このとても詩的なネーミングは、月の中でも、三日月だけが照らし出す夜の色を感じさせる」
訳すとだいたいこんな意味だと思います。三日月が照らす夜とは・・・なんともロマンチックですね。ちゃんとラベルには、三日月の絵が描いてあります。
pourssièreとは、三日月がかもし出す塵(ちり)、つまり靄(もや)のようなもののことなんでしょうね。それで「ムーンシャドウ」なわけです。

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ムーンシャドウは三日月が照らす夜の色だった!

三日月が照らす夜の色とは、なんともおしゃれです。満月のように、光が一杯に満ちているわけではなく、ほのかな明かりなのでしょう。その薄暗さを紫で、しかもボルドー色で表現するところが粋ですね。
明るく元気いっぱいな色も好きですが、エルバンのムーンシャドウは、落ち着いた大人の色という感じ。渋めなのが気に入っています。