増加する世界の紙の消費量、気になるノートの紙消費量は?

2020-10-07

こんにちは、クリポンです。
最近では技術の進歩により、デジタル化がどんどん進んでいますね。その影響もあってなのか、世の中では筆記することが減りつつあります。
子供の頃は、毎日何かしら書いていたのが、大人になった今は、ペンを使うのはたまにメモを取るときだけだったり。ほとんどのことは、スマホやパソコンで済んでしまいます。
若い世代でもペン離れが進むなか、ふと思うのは「ペンを持たなくなったのなら、紙の消費量は減ってきているのでは?」ということ。ところが驚くことに、世界の紙の消費量は年々増えているんです。
デジタル化は、紙の消費削減に貢献しないのか。果たして、ノートなど筆記用紙の消費量はどう変化しているのか・・・など、紙について気になる疑問に迫ってみました。

 

デジタル化が進む今だからこそ、紙の消費量について考えてみよう

世界で紙の消費量が増加している

デジタル化が進めば紙の消費量は減っていく・・・多くの方がそう思うのではないでしょうか。しかし世界で消費される紙の量は、年々増えています。
世界の紙消費量、そして日本とフランスの紙消費量をグラフで比べてみましょう。2013年から2017年までの統計です。

 

 

世界では5年の間に、4.4%紙の消費量が増えています。ホッと肩をなでおろすのは、世界全体では増加していても、日本では5年間に3.6%減っていることです。
努力の成果でしょうね。増加傾向にある国が多いなか、日本で紙の消費削減が進んでいるのは嬉しいですね。ちなみにフランスでは、消費量はあまり変化していません。

今回の記事は、Food and Agriculture Organization (FAO)の資料「FAO Yearbook of Forest Products 2017 Forest product statistics」を参照しています。

 

紙消費大国の日本、フランスは?

次に世界の紙消費量を、国別に見てみましょう(2017年度)。

 

 

世界で最も紙を消費している国は中国。続いてアメリカ、日本と続きます。日本では紙の消費量が減ってきているものの、世界第3位に位置しています。アメリカの半分以下の消費量ではありますが、日本は紙の消費大国なんです。

 

紙の消費量が増えている理由は?

世界で紙の消費量が増えているのはなぜなのか。気になる疑問に、もう少し踏み込んでみたいと思います。

 

情報・印刷用紙とそれ以外の紙類に分けてみる

ここで理解しやすくするために、紙全般を「情報・印刷用紙」と「情報・印刷用紙以外」に分けてみます。
情報・印刷用紙とは、主に印刷を目的とした紙です。新聞紙、書籍、雑誌、筆記用紙、コピー用紙、ポスター、チラシなど様々なものがあります。
情報・印刷用紙以外とは、衛生用紙(トイレットペーパー、ティッシュペーパーなど)や包装用紙、ダンボールなどのことです。

  • 情報・印刷用紙・・・新聞紙、書籍、雑誌、筆記・図画用紙、コピー用紙、チラシなど
  • 情報・印刷用紙以外の紙類・・・衛生用紙、包装用紙、ダンボールなど
  •  

情報・印刷用紙の消費量はどう変化している?

まずは情報・印刷用紙の消費量の推移を見てみましょう。

 

 

情報・印刷用紙の消費量は、世界全体で年々減少しています。日本やフランスをはじめ、多くの国で情報・印刷用紙の消費量は減ってきています。紙の消費量増加の原因は「情報・印刷用紙」ではなかったようです。

 

消費量増加の原因は「情報・印刷用紙以外の紙類」だった

では「情報・印刷用紙以外の紙類」はどうでしょうか。グラフで推移を見てみましょう。

 

 

先ほどの情報・印刷用紙とは逆に、こちらは増加傾向にあります。紙の消費量が増えている原因は、「情報・印刷用紙以外の紙類」にあったわけです。つまり衛生用紙や包装紙の削減を考えないと、紙の消費量は一向に減らないということです。紙の消費削減はなかなか簡単にはいかないようですね。

 

デジタル化が紙の消費削減に繋がっていない!?

デジタル化の落とし穴

さて、冒頭で「デジタル化は、紙の消費削減に貢献しないのか」と投げかけました。デジタル化が直接関係しそうなのは「情報・印刷用紙」であって、「情報・印刷用紙以外」ではありませんよね。この2つについてもう一度確認をしておきます。

  • 情報・印刷用紙・・・新聞紙、書籍、雑誌、筆記・図画用紙、コピー用紙、チラシなど
  • 情報・印刷用紙以外の紙類・・・衛生用紙、包装用紙、ダンボールなど

先ほど見たように、「情報・印刷用紙」の消費量は減少傾向にあります。これはデジタル化が功を奏して、消費削減に成功しているからなんです。
でも喜んでばかりはいられません。情報・印刷用紙をさらに細かく分けて消費量を調べると、驚きの事実が見えてきます。

 

コピー用紙などの消費量が減っていない

情報・印刷用紙を部類分けしてみます。まず新聞紙と新聞紙以外の紙に分けられ、新聞紙以外の紙は、さらに塗工紙と非塗工紙に分けられます。

  • 新聞紙
  • 塗工紙・・・紙に塗料を塗って、加工したもの。紙の表面は滑らかで光沢がある。
    ポスター、チラシ、カレンダー、パンフレット、写真集など
  • 非塗工紙・・・加工していない紙で、表面は荒くざらつきがある。紙の表面は光に反射しないので文字が読みやすく、書籍や筆記に向いている。
    書籍、コピー用紙、筆記・図画用紙など

大まかに分けましたが、実際には、書籍や雑誌、チラシ、コピー用紙など一部のものは、必要に応じて塗工紙と非塗工紙を使い分けています。

さて、この3つの分類の中で、消費量が減少しているのは新聞紙と塗工紙です。実は非塗工紙に関しては、消費量があまり変わっていないんです。
新聞紙は、電子化により紙の消費量が大きく減りました。しかし非塗工紙である書籍やコピー用紙、筆記用紙などは、消費量があまり減少していません。つまりデジタル化が進んでいるにも関わらず、その影響をあまり受けていないことが分かります。

 

デジタル化により生まれる新しい紙の使い方

非塗工紙(書籍やコピー用紙、筆記用紙など)の消費量の推移をみてみましょう。
Forest product statisticsの資料では、これらは「Other graphic papers, uncoated, woodfree (p.332-334) 」( (新聞紙以外の)非塗工印刷用紙で、化学パルプによる製造)に分類されると説明されています(p.28)。

 

 

先ほど見たように「情報・印刷用紙」全般が大きな減少傾向にある中、書籍やコピー用紙、筆記用紙の減り方は緩やかです。
近年、資料の電子化が進んでいます。でも結局のところ、紙に印刷して保存をすることが絶えません。実際、日常生活において電子資料ではなく、手元に紙の資料を必要とする状況は多々あるわけです。デジタル化が進むことで、逆に印刷などの、新しい紙の使い方が生じているのではないでしょうか。
印刷用紙に関して言えば、デジタル化が必ずしも、紙の消費量減少に貢献しているわけではなかったのです。

FAOの資料の中では、書籍や筆記用紙はコピー用紙などと一緒に統計がだされています。ノートやメモ帳などの、筆記用紙自体の消費量変化については分かりませんでした。でもコピー用紙同様、筆記用紙もそれほど消費量が変わっていないと考えて良いのかもしれません。

 

1ページづつ、大切に書いていきたいノート

生活の中で、気軽に資料の印刷をしますよね。考えてみれば、私の家だけでもコピー用紙の消費量はそれなりにあります。印刷は必要最低限でおこなうよう、気をつけようと思います。
この先、社会でペーパーレスが進められることを願っていますが、手書きが好きな私は、できればノートは使い続けていきたいという気持ちもあります。我ながら矛盾していると思いますが、無駄遣いをせずにノートの1ページ1ページを、大切に書き綴っていきたいです。