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フランスのノートで使われる「ベラム紙」とは?

2020-03-21

こんにちは、クリポンです。
あまり知られていないかもしれませんが、フランスには紙質の良いノートがたくさんあります。すでにフランスのノートを使ってみて好きになり、リピートしている方もいらっしゃるでしょう。

フランスのノートについて調べると、よく「ベラム紙を使用」と書かれているのを見ます。一体ベラム紙とは何なのか。疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、フランスのノートや紙製品によく使われる「ベラム紙」について解説します。


知っておきたい!フランス高級紙の一つ「ベラム紙」

ベラム紙はどんな紙?

日本ではあまり聞かれない「ベラム紙」は、18世紀にヨーロッパで作られ始めた紙です。1750年頃に2人のイギリス人、ジョン・バスカヴィルとジェームズ・ワットマンが発明し、その後フランスで改良が続けられ、1780年頃に完成されました。

ベラム紙の特徴は、きめ細やかで紙の粒子が見えず、絹のような滑らかさと光る真っ白さがあること。また紙に筋目(製造過程においてできるすかし筋)が全くないこともあげられます。

ノートと万年筆

余談になりますが、筋目が残る紙というのは、例えばレイド紙があります。レイド紙は歴史ある紙で、13世紀にイタリアで発明され、縞(しま)のような模様がある個性的な紙です。丈夫で質が良く、現在でもヨーロッパで好んで使われる紙です。写真では分かりづらいですが、このような紙です。

レイド紙の例

羊皮紙を思い起こさせるベラム紙

ベラム紙のベラムとは、フランス語で羊皮紙(ようひし)のことを指します。羊皮紙は、子牛など動物の皮をなめして作られる高級紙で、中世ヨーロッパでパピルス紙(草から作る紙)の代わりに使われていていました。

ベラム紙という名前は、ベラム(羊皮紙)の滑らかさを思い起こさせることから、つけられたそうです。とは言え、ベラム紙は動物の皮を原料としていないので、安心してくださいね。

ベラム紙のノート

ベラム紙はフランスのノートによく使われている

古くから日本で和紙が作られ発展してきたように、フランスにも紙製造の長い歴史があります。その伝統を引き継ぎ、紙質の良さを誇る文房具メーカーがいくつも存在します。日本でもよく知られたメーカーに「ロディア Rhodia」や「クレールフォンテーヌ Clairefontaine」などがあります。

これらのメーカーの紙製品(ノートやコピー用紙、便箋、封筒など)には、しばしばベラム紙が使われています。実際、日本でもロディアやクレールフォンテーヌの商品説明のなかで、ベラム紙使用と書かれているのをよく見かけます。

写真はロディアのウェブノートブックです。「90g/m2(グラム 毎 平方メートル)のベラム紙を使用」と説明されています(ベラムは英語でVellum)

ベラム紙使用と書かれたウェブノートブックの帯

90g/m2は、1平方メートルあたりの紙の重さを表しています。日本では坪量(つぼりょう)と呼ばれる単位で、紙質を知る目安となります。詳しくはこちらで解説しています。

ロディアのウェブノートブックについてはこちらをどうぞ。

ベラム紙のノートはどんな筆記具を使っても書きやすく、インク抜けしにくいのが特徴です。そしてベラム紙の色は、製造上の理由で真っ白になりますが、そのままだと紙の表面が光って見えにくいことがあります。しかしロディアやクレールフォンテーヌのノートは、紙の表面が光に反射しないように加工がしてあるため、目に優しいノートなんです。

紙質の良さを示すベラム紙のノート

ベラム紙はフランスで上質な紙として扱われています。フランスでもベラム紙使用のノートやレターなどは、普通の紙を使っている製品よりも値段が高めです。海外メーカーのノートや紙製品で、ベラム紙使用と書かれていたら、紙質の良い商品だと思って良いでしょう。

ノート・手帳

Posted by cripon