パイロット【いろうつし】つけペンなのに!?万年筆なみの書きやすさ!
こんにちは、クリポンです。
このところガラスペンを含めたつけペンが流行っていますね。私も興味があり、数年前から気が向いた時にあれこれと試しています。昔ながらのつけペンは上手に書くのがなかなか難しく、練習がいります。なかなか奥の深い筆記具です。
ご存知だと思いますが、日本のメーカーからもつけペンが登場していて、特に書きやすさにこだわったものばかりで、私も気になっていました。ようやく試せる機会を得られました。
今回は初めてのつけペンにおすすめ!パイロット「いろうつし」をレビューします。
Pilot「iro-utsushi」つけペンだからこそ、いろんなインクで楽しみたい!
「いろうつし」とはつけペンである!
パイロットの「いろうつし」です。
いろうつしとは何なのでしょう。一見、万年筆のようにも見えますが、「つけペン」と呼ばれる筆記具です。
つけペンとは、ペン先をインクに浸して含ませながら書く筆記具のことです。
古来より使われていて、例えば鳥の羽根で作ったペンなどもその一種です。インクに浸しながら書くという点では、筆もつけペン方式をとっていますね。
ところで万年筆は、つけペンを進化させた筆記具です。コンバーターやカートリッジを備え付けることにより、簡単にペン先にインクを送り出せて、手間がかからない。この点がつけペンとの違いです。
いろうつしは自分でインクを含ませながら書く、昔ながらのペンなのです。
セーラーのつけペン「hocoro」レビューはこちらから :
いろうつしを使いたくなる!3つのポイント
1. 万年筆では使いにくいインクが使える
ペン先を洗ってすぐにインクを落とせるのがポイント。万年筆では問題を起こしそうなインクも、ためらいなく使えます。
例えばラメ入りインク。万年筆の場合、ラメが詰まってしまうのを躊躇しますが、いろうつしならその心配は少なく思い存分書けます。
2. すぐに色を変えられる
付着したインクを洗浄して拭くだけで、次々にインクの色を変えられる。つけペンならではの強みです。
絵の具の色を変えていくような感じですね。
3. 万年筆のペン先だから書きやすい
いろうつしには万年筆のペン先が使用されています。
通常カリグラフィーや漫画などで使うつけペンは、上手に書くには慣れが必要です。でもいろうつしなら大丈夫、万年筆で書いているような感覚で書けます。
写真の左は昔ながらのつけペンです。
この2つは金属の厚さや硬さが違い、書き心地もかなり違います。いろうつしはペン先が安定していて、書くのがとっても楽なのです。
選べる!軸の素材とペン先の太さ
いろうつしはペン軸の材質と色、そしてペン先の太さを選べます。
軸の材質は樹脂と木材の2種類です。樹脂軸は3色、木軸は2色あります。
樹脂製は、軸の色によってペン先の太さが異なるので気をつけてくださいね。
樹脂の軸
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木軸
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注意点ですが、いろうつしはペン先を外すことができません。太さを変えるには軸ごと買い直す必要があります。
樹脂軸と木軸では大きさが違う
私のものは樹脂軸のクリアブルー色で、太さは中字です。
樹脂と木製では軸の大きさが異なります。
樹脂軸は長さ14.4cm、木軸は15.6cmと長めです。軸の太さも樹脂は直径約1cm、木製は1.2cmとこちらのほうが少し太めになります。
やはり価格の違いでしょうか、握り心地の良さを求めるなら断然木軸のほうが良いと思います。
つけペンの不思議! 一枚板のペン先
いろうつしではコンバーターやカートリッジは使えません。ペン先をインク壺に浸しながら書いていきます。
このような一枚板のペン先で数行もの字が書けるとは、つけペンとはよく考えられていますね。
購入時には、ペン先を安全に保管するためのキャップが付いています。
使わない時にはキャップをかぶせておくのが良さそうです。
いろうつしの使い方
つけペンを使う時に、毎回用意するものがあります。
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洗浄用の水を入れる器は空瓶やコップなど、深さのあるものなら何でもいいです。
1. ペン先にインクをつける
インクボトルの中にペンを入れ、インクを含ませます。
どこまで浸すのかというと、目安は丸い穴まで(波線の表示まで)です。
このようになりました。
金属がインクをはじくので、まんべんなく表面にインクが乗るわけではありませんが、これで大丈夫です。
裏側です。
早速書いてみます。
一息にこれだけ書けました。使用インクはセーラー四季彩(現:四季織)の常盤松、紙はロディアのドットパッドです。
2. 洗浄する
色を変える時は、その度に洗浄してインクを落とします。使い終えた後も洗ってから保管します。
洗い方は、先ほどインクを浸した部分を水につけて、軸を振り動かしながらジャブジャブと洗います。
推奨されないかもしれませんが…使用後水道水で直接洗うことも一応できます(面倒な時など 笑)。
3. 水分を拭き取る
次に使うインクのボトルに水分を入れないためにも、ティッシュなどで水気を完全に拭き取ります。洗い落とせていないインクも、きれいに拭き取ってしまいましょう。
すぐに書けなくなる時の対処法
書いてみたら、あれ?ペン先にインクが乗らない、書いた途端にインクがどっと流れ出る、文字をちょっと書いただけでもうインク切れ、なんてことがあるかもしれません。
せっかく買ったのに不良品なのでは、と不安になりますよね。
このような場合は、違うメーカーのインク、または同じメーカーでも違う商品を試してみることをおすすめします。それだけで驚くほどインクの乗りが良くなり、書きやすくなる場合があります。
インクは商品ごとに粘性やインクフローが大きく変わります。インクフローの良いものなどは、インクの乗りが悪く、つけペンでは使いにくく感じることがあります。使えないわけではないのですけれどね。
紙に関しても、コピー用紙などインクを吸いやすいものは早くインク切れとなります。
私の経験からしてつけペンはインクによって、使い心地と書き味が全く変わります。つけペンに向くインクとそうでないものがあります。まずはいろいろなインクを試して、書きやすいものを探してみてくださいね。
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万年筆ではなくつけペンで書く楽しみ
このところ日本ではつけペンブームが起きていて、個人的には昔に回帰するような面白い現象だなと思っています。つけペンは長い歴史の中で使われてきました。難点は扱いが少々面倒なことであり、そこで開発されたのが万年筆やボールペン、水性ペンといった、軸内にインクを保持できる筆記具です。
よく、つけペンは扱いが簡単とのうたい文句があるけれど実はそうではなく、総合的にみれば万年筆の方がずっと楽できれいに書けます。だからこそつけペンが廃れていったのですね。
今ここでつけペンが流行るというのは、世の中便利なだけがいいわけじゃないとの気づきなのかもしれません。手のかかることにあえて時間をかける、万年筆じゃなくつけペンで書く楽しみというのがあります。時間の余裕がある時にその良さを味わってみるのもいいですよ。