ラミー万年筆「サファリ」と「アルスター」違いと共通点は?
こんにちは、クリポンです。
海外の万年筆メーカーの中でも、高い人気を誇るドイツのラミー。特にサファリやアルスターと呼ばれるモデルは、普段使いに最適な万年筆として、子供から大人まで幅広い世代に受け入れられています。
万年筆に興味があるけれど、ラミーの万年筆を使ったことがない…。そんな方でもきっと、すでにラミーのウワサを耳にしているのではないでしょうか。
そこで「ぜひ一度使ってみたい!」と思い、情報を探し始めるものの、多くの人が最初にぶち当たる壁があります。それは「サファリとアルスターのどちらを選ぶべきか」ということ。よく似たサファリとアルスターには相違点もあり、最初はその辺りのことが分かりづらいんですよね。
今回は誰もが一度は迷う、サファリとアルスターの違いについて解説します。
「サファリ」と「アルスター」6つの違いと3つの共通点
サファリの後に登場したアルスター
ラミーの「サファリ safari」や「アルスター AL-star」は、発売当時から今に至るまで、根強い人気を誇っています。
写真は上がアルスターで2017年の限定色「パシフィック」、下がサファリで定番色の赤です。

サファリが登場したのは1980年、アルスターは17年後の1997年に販売開始となりました。今となってはどちらもロングセラー商品ですね。
ラミー vista とは?
ところでよく迷うもう一つのモデルに、ラミーのビスタ vistaがあります。ビスタはサファリをスケルトンにしたもので、日本ではそのままスケルトンと呼ばれることが多いです。
こちらはビスタのボールペン。万年筆版もあります。

違いは軸色だけで、ビスタとサファリは全く同じ形です。
サファリとアルスター、知っておきたい6つの相違点
1. プラスチックボディとアルミニウムボディ
見かけがそっくりなサファリとアルスター。でも一目ですぐに分かる違いは、万年筆の材質にあります。
サファリはプラスチック、アルスターは光沢のあるアルミニウムで作られています。
サファリの後に登場したアルスターは、サファリのアルミニウムバージョンと言えるでしょう。

サファリがポップでかわいい万年筆ならば、アルスターはかっこよさが光る落ち着いた感じの万年筆。もともとサファリは、子供や学生を対象として作られたもので、その後「大人に似合うサファリを」という企画のもと、生まれたのがアルスターなのです。
アルスターはメタリックの冷んやりとした素材感が、大人っぽい品の良さを醸し出しています。
2. アルスターの半透明グリップ
サファリとアルスターのグリップは独特な形をしています。人間工学に基づいて、長時間の筆記でも疲れにくい形を採用しているとのこと。
また子供達へ教育の意を込めて、正しいペンの握り方を誘導する形になっています。

ここで特筆したいのはアルスターのグリップ。濃い灰色の半透明なプラスチックで、中が透けて見えるんですよ。写真では真っ黒になってしまいましたが・・・。

右はアルスターのボールペンです。
3. 形が異なるクリップ
クリップの形にも違いがあります。アルスターのクリップは、キャップに密着しているように見えます。
他方サファリは、クリップとキャップの間に、三角形の空間ができていますね。

アルスターのクリップは、写真のようなシルバー色であることがほとんどです。ただしグレードアップ版のアルスター ルクスにおいては、クリップと軸の色が統一されています。
サファリのクリップの色はバリエーションに富み、軸と同一色だったり、わざと軸と異なる色にして目立つようにしてあったりします。
4. アルスターはサファリよりも少し大きい
アルスターはサファリよりもほんの少し、キャップと軸の直径が大きく作られています。


グリップ周りも、アルスターの方が少しだけ大きいです。でも言われないと気づかないほどの違いです。
5. サファリよりも重いアルスター
サファリとアルスターは重さも異なります。素材であるプラスチックとアルミニウムの重さの違いでしょうか。実際に量ってみると、アルスターのほうが重いです。
キャップを付けた状態(カートリッジ付)
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キャップを外した状態(カートリッジ付)
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アルスターはキャップを閉めた状態では21gもあります。でも外してしまえば軽くなり、重めのペンが苦手な方でもそれほど気にならないでしょう。
6. アルスターの方が値段が高い
サファリとアルスターの大きな違いには、価格も挙げられます。やはり素材の違いに起因するのでしょうか、アルスターの方が値段高めとなります。
軸色によって値段が異なり、またショップによっても大きく変わるので、この2つのモデルの値段がどのくらい違うのか、正確に示すことは難しいです。
あえて例を挙げれば、Web上のラミー直営店ともいうべき、LAMY Shopの値段で比べてみたところ、アルスターはサファリの1.1倍〜1.4倍ほどになります。
サファリとアルスター、3つの共通点は?
見かけが似ているサファリとアルスターには、もちろん共通点もあります。3つ挙げてみましょう。
1. 共通のニブ
ニブ(ペン先)はサファリとアルスター、ともにスチールです。太さはEF(極細字)、F(細字)、M(中字)、B(太字)があります。日本ではEF、F、Mのみの販売とされていますが、たまにBを扱っているショップを見かけます。
共通の形ということもあり、サファリとアルスターの間でニブの交換が可能です。
詳しくはこちらをどうぞ :
2. コンバーターとカートリッジが共通
サファリもアルスターも、コンバーターはラミーの赤色コンバーター(型番 : LAMY Z28)が推奨されています。 カートリッジについては、どちらもラミー社のカートリッジのみを使用できます。
コンバーター、カートリッジについて、詳しくはこちらを参考にしてくださいね。
3. 毎年恒例の限定色
ラミーといえば、必ず話題になるのが毎年販売される限定色。サファリとアルスター、両方ともに毎年限定色が発表され、楽しみにしているファンが世界中にいます。
誰もが迷うサファリとアルスター
万年筆に興味を持つ人ならばサファリとアルスター、必ずと言っていいほどどちらか1本は持っていると思います。デザインが良く書きやすく、それほどに魅力的な万年筆です。
最初はどちらを買おうか迷うんですよね。私もそうでした。結局最初にサファリを買って、数年後にやはり欲しくなってアルスターを買いました。 どちらも文句なしの高品質、どちらを選ぶべきかは好みの問題です。私はサファリもアルスターも大好き。今では限定色で気に入った色があれば購入するといったかんじです。