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初めての万年筆! カートリッジとコンバーターの違いや互換性

2020-03-09

こんにちは、クリポンです。
風変わりなペンである万年筆。100年以上も前のシステムを引き継ぐ筆記具は、万年筆くらいでしょうか。わざわざ自分でインクを入れたり、ペン先を洗ったりしなければならず、便利なペンが多く存在するこの時代に、なぜ万年筆を使うのか?って思いますよね。

万年筆は手間暇かけて使っていけば、どんどん自分好みのペンに育っていきます。他のペンにはないアナログ的な面白さが、多くの人を惹きつけるのかもしれません。

万年筆を使ってみたい!でも万年筆のインクって、どうやって使えばよいのか・・・初心者にとって最初は分からないことだらけです。

そんな時のために、万年筆のインクを使うための必需品、カートリッジとコンバーターの違いや選び方についてお伝えします。


万年筆の使い方! 押さえておきたい「カートリッジとコンバーター」

どちらを選ぶ?カートリッジとコンバーターの長所・短所について

多くの人が挙げる、万年筆を使いたくなる理由の一つに、好きなインクを入れられることがあります。現在、驚くほどの数のインクが、世界中で販売されています。自分の欲しい色を探し始めたら、あれもこれも気になって、欲しくなってしまうでしょう。インクの世界は、それほどに種類豊富で充実しています。

万年筆のインクを補充するには、2つの方法があります。カートリッジ、またはコンバーターを使う方法です。

カートリッジとコンバーター

手軽に使えるのはカートリッジ。すでにインクが注入されているので、万年筆に装着するだけで、すぐに使用可能となります。他方、コンバーターを使う場合は、まず自分でインクを注入しなければなりません。

一見、カートリッジの方が便利で良さそうですが、双方ともに、長所と短所があります。カートリッジかコンバーターか、どちらを選ぶかは好みによります。それぞれ長所と短所を踏まえた上で、ケースバイケースで選ぶのも良いでしょう。

カートリッジの長所と短所

長所

  • 扱い方が簡単。インクが無くなったら、新しいカートリッジに取り替えるだけなので、手間がかからない(ただしその場合は同じメーカー・色であること)。
    外出先で万年筆をたくさん使う場合(学校や職場など)には、カートリッジがおすすめ。

短所

  • インクボトルに比べて、カートリッジを買うと割高になる。
  •  色の種類がとても少ない。インクはボトルで売られるのが主流なので、あるメーカーにおいて、インクボトルで売られている色が、カートリッジでは販売されないことが多い。

コンバーターの長所と短所

長所

  • インクボトルはカートリッジに比べて、色の選択肢が豊富。あるメーカーにおいて、カートリッジで売られている色が、インクボトルでは販売されないということは、ほとんどない。
  • カートリッジを使うよりも、安上がりである。

短所

  • インクボトルを使い切るのに時間がかかる。気に入った色ならよいが、そうでない場合は、使い切る前にインクが劣化してしまうことがある。
  • コンバーターにインクを注入するのに、多少の手間がかかる。
  • インクの色やメーカーを変えるときは、コンバーターも洗う必要がある。
エルバンのグレイッシュグリーンのインクボトル

カートリッジとコンバーターの選び方

カートリッジの互換性

万年筆のカートリッジは、どれを選んでも良いというわけではありません。実はメーカーによって、自分の持っている万年筆とは、形が合わないカートリッジもあります。

カートリッジには、国際規格とされる、統一された形が存在します。しかし実際には、国際規格のカートリッジを使えない万年筆も少なくありません。
なぜなら万年筆メーカーによっては、国際規格のものではなく、自社製の独自のカートリッジのみ使用可能とするメーカーもあるからです。

そのため自分が使っている万年筆のメーカーを把握した上で、使用可能なカートリッジを選ぶ必要があります。使用可能ではないカートリッジは、形が万年筆に合わず、カートリッジを装着しようとしてもはまりません。

ここでは詳しく、自社製のカートリッジしか使えない万年筆メーカーと、国際規格のカートリッジが使えるメーカについて挙げてみます。国際規格のカートリッジが使えるメーカーどうしなら、互換性があります。

1. 万年筆と同じメーカーのカートリッジしか使えない
(つまり自社製カートリッジのみ)、万年筆メーカー
  • アウロラ
  • クロス
  • ラミー
  • パーカー
  • パイロット
  • プラチナ
  • セーラー
  • シェーファー
2. 国際規格のカートリッジならばどれでも使用できる、万年筆メーカー
(これらのメーカーが販売するカートリッジは、国際規格となります)
  • カランダッシュ
  • デルタ
  • ファーバーカステル
  • グラフ ボン ファーバーカステル
  • カヴェコ
  • モンブラン
  • エルバン
  • モンテベルデ
  • オンライン
  • ペリカン
  • レシーフ
  • STデュポン
  • ビスコンティ

以下に挙げるのは、国際規格を取るインクメーカーです。

  • ダイアミン
  • プライベートリザーブ

注意点について

ファーバーカステルやモンブランは、一応、国際規格のカートリッジが使用できるとされます。しかし他社のカートリッジとの相性が、あまり良くないと言う話をよく聞きます。

私の経験ですが、ファーバーカステルの万年筆に、ウォーターマンのカートリッジを装着したことがあります。しかし、どうも装着具合が浅いと言うか、カートリッジが外れてしまうのです。万年筆2本を試し、どちらも外れやすかったので、それ以来、ファーバーカステルに関しては、他社のカートリッジは使っていません。今はコンバーターを使うことがほとんどです。

国際規格のカートリッジでも、メーカーどうしの相性があるようです。必ずしも形がぴったり合うとは限りません。ファーバーカステルやモンブラン、その他もですが、いろいろと試してみないと分かりませんね。

バイオレットのカートリッジで試し書き

コンバーターの互換性は?

コンバーターに関しても、カートリッジ同様に選びます。つまり、国際規格のカートリッジを使用するメーカーどうしならば、コンバーターにも互換性があります。

自社製カートリッジしか使えないメーカーは、コンバーターに関しても、万年筆と同メーカーのコンバーターを使用します。



インク補充の時に注意したいこと

万年筆は自分でインクを選んで入れられる、ユニークなペンです。 それだけに、インクの扱いに関して、デリケートな面もあります。万年筆のインクを使うにあたって、次の3つの点に注意しておきましょう。

  1. 使用するインクの色やメーカーを変えるときは、一度万年筆を洗浄する。
  2. 同じメーカーの同じ色を使い続けるときでも、2〜3ヶ月に一度洗浄しておくと、良い状態で万年筆を保てる。
  3. インクは絶対に混ぜない

こちらの記事もどうぞ!

海外滞在時は、万年筆を水道水で洗わない方が良い?

海外の硬水に注意

日本では、万年筆洗浄には、水道水を使うとされますよね。それは日本の水道水が、軟水であるからできることなんです。

海外では、水道水が硬水のところが多くあります。硬水には、ミネラルが多く含まれていますが、実はこのミネラルが厄介。万年筆を硬水で洗うと、ミネラルが残って石のように固まり、ペン先を詰まらせる原因になりかねません。

硬水がもたらす弊害

私の住むフランスの水道水は硬水です。普段から、硬水には本当に頭を悩まされています。台所や洗面所など、水回りはすべて、あっという間にミネラルが溜まり固まっていくんです。

例えばスチームアイロンに水道水を入れて使っていると、すぐにスチームの穴にミネラルが詰まって、蒸気が出なくなります。そのため、アイロンなど水を使う機械は、スーパーに売っている、ミネラルを除いた水(掃除用水として売られている)を使います。

しかし洗濯機や食洗機などは、水道水を使わざるを得ません。そのため、定期的にミネラルの除去をしないと、故障の原因になってしまいます。

硬水では万年筆を洗わないのがベスト

海外で万年筆を洗浄したい場合は、まずその土地の水道水が軟水・硬水のどちらであるか、確かめてくださいね。硬水である場合は、水道水での洗浄を避けた方が良いでしょう。

どうしても万年筆の洗浄をしたい場合は、ミネラルを除去した水を購入し、洗浄するのが無難だと思います。ミネラルを除去した水は、スーパーの掃除コーナーや工具コーナーなどにおいてあります。

万年筆とノート

カートリッジ・コンバーターを使い分けて楽しんで!

カートリッジやコンバーター、どちらを使うのかは人によって好みがあり、使いやすさの度合いも人それぞれです。2つともに長所があるので、状況によって使い分けている方も多いのではないでしょうか。

私は外ではカートリッジ、家ではコンバーターを使うことが多いです。カートリッジは、色の種類がもっとたくさんあれば、もっと使いたいところなんですが。あるインクに興味があっても、量が多いインクボトルを買うのにいつも躊躇してしまうんです。こういうときに、同色のカートリッジ版があれば試しやすいのに…あまりないのが残念です。

万年筆

Posted by cripon