日本で人気の万年筆 フランスでは売れなくなった!?

2020-10-07

こんにちは、クリポンです。
突然ですが、普段、万年筆を使っていますか。日本ではここ数年、万年筆ブームが続いています。日本や海外のメーカーから、毎年のように新作万年筆が発売され、お店で眺めているだけでもワクワク・・・文房具好きにはたまりません。
万年筆の良さは、何と言ってもあの書き心地でしょう。今まで万年筆を使ったことがない人が、手に取って実際に書いてみたら、その魅力にはまってしまった。よくあることなんですよ。私もあっという間に、万年筆のとりこになってしまいました。
私の住むフランスでは、万年筆使用者が減ってきているようです。その真相に迫ってみました。

 

悲しいかな・・・消えゆく万年筆

万年筆人口が減少しているフランス

フランスでは、万年筆離れが進んでいます。GfK(ドイツに拠点を置くマーケティングリサーチ企業)の調査によれば、万年筆販売数に関して、2013年には約600万本だったのが、2017年では約360万本まで減少したとのこと。この急激な減り方に「一体何があったのか」と、他国のことながら心配になりますね。

 

 
 

フランスではシャープペンシルはあまり使わない

ところで、フランスなどの欧米諸国では、学校であまり鉛筆やシャープペンを使いません。授業で使うのは、主にボールペンなどの、消しゴムで消せないペンです。小学校低学年も同様です。鉛筆は何か下書きをしたり、簡単なメモを取るときに使います。特に試験の時は、「鉛筆やシャープペンで書いたら採点しない」という先生もいるほどです。
日本では、授業や試験では、鉛筆かシャープペンを使うことがほとんどだと思います。海外留学をして慣れないことの一つに、このペン書きがあります。大学の試験などは鉛筆不可、ボールペン等で解答しなくてはいけないので、慣れないうちはちょっと大変です。答案用紙に間違って書いてしまっても、簡単に消せず苦労します。このことに関しては、またいずれ記事にしてみたいと思います。

 

 

 

 

万年筆が売れないのはなぜ?

なぜ万年筆が売れなくなったのか。一番の原因は、学生が万年筆を使わなくなったことにあります。
フランスでは古くから、学生が万年筆を使う文化があります。万年筆を使い始めるのは、だいたい小学校高学年から中学校に上がるころです。
最初に変革が起こったのは1950年、フランスの文房具メーカーBICが、低価格のボールペンを売り始めたことにあります。その結果、1970年頃から、学校でのボールペン使用が認めらるようになり、手軽なボールペンは万年筆に取って代わっていきました。
でも、すぐに万年筆がすたれていったわけではありません。万年筆とボールペンの両方を、ケースバイケースで使う学生が多かったようです。

 

フランス文房具界を揺るがした「フリクションボール」

 

 

2000年頃はまだ、万年筆を使う学生が少なからずいました。ところがある時、万年筆の販売数を急激に落とすことになる事件が起こりました。フリクションボールの登場です。フリクションボールといえば、日本の文房具メーカー「パイロット」が製造する、摩擦熱で書いた字を消せるボールペンです。ご存知のように、ペンのキャップと反対側にある灰色のゴムでこすると、ボールペンの字が消えてしまいます。
フランスでは、2007年にフリクションボールが販売され始めました。万年筆やボールペンで書いた字を消せないことに、不便を感じていた学生たちにとって、フリクションボールの登場はとてもありがたいものでした。たちまちのうちに、フリクションボールは学生の間に広まっていきました。
現在では万年筆やボールペンよりも、フリクションボール、もしくはフェルトペンを好む学生が多いのだとか。

 

万年筆の運命やいかに!?

お店の棚から消えつつある万年筆ですが、いずれは消えて無くなってしまうのでしょうか。どうやらそれはなさそうです。万年筆はプレゼントとして贈る機会がよくあり、買いたいと望んでいる人がいます。
また学生の間で万年筆離れが進んでいても、大人のステータスとして、学生を終えてから万年筆を手に取る人も少なくありません。その場合、学生用の低価格万年筆ではなく、社会人が手に持ってしっくりくるような、それなりの値段の万年筆が選ばれるようです。
万年筆が付加価値を持った筆記具となりつつあるのは、日本の万年筆事情と似たところがあります。フランスでも万年筆愛好家は存在するわけですし、万年筆が全く売れなくなるということはなさそうです。
万年筆の良さは、何と言ってもあのスルスルと滑るように書ける、感触の良さにあります。万年筆に慣れてしまうと、ボールペンを手にした時、書きにくさが気になってしまうほどです。私としては、ぜひとも万年筆に消えて欲しくない!これから先、万年筆が見直されて、手に取る人が増えていくことを願っています。