ウォーターマン「メトロポリタン」万年筆 初めての1本にもおすすめ!
こんにちは、クリポンです。
よりどりみどりの万年筆選び。世界で使われる筆記具ということもあり、色々な国のものが存在します。そんな中、ウォーターマンは現代の万年筆の祖として知られています。
万年筆そのものは古くからありましたが、1880年代初めにインク漏れのない画期的な万年筆を作ったのが、アメリカ人のウォーターマン氏です。彼の名で会社を立ち上げ、今日世界に知られるウォーターマンにまで発展しました。
今回は初めての1本にもぴったり、1万円以下で買える!老舗ウォーターマンの「メトロポリタン」万年筆についてお届けします。
Waterman「メトロポリタン」手元が映える!エレガントな万年筆
パリをイメージしたおしゃれペン
ウォーターマンのメトロポリタン万年筆、マットブラックです。
今回ご紹介する「メトロポリタン」は、1994年に登場しています。細身軸でエレガントなペンは、パリのスタイルを意識しているとのこと。キャップの天冠から尻軸に向かって描くなだらかな曲線が美しく、均整美に見惚れてしまうペンです。
ウォーターマンはフランス製
このような頑丈なケースに入っていました。
Waterman Parisと書かれています。「Waterman」が英語であるように、元はアメリカで設立された会社です。現在はフランスに移っており、全ての部品をフランスで作っています。
ウォーターマンはどのモデルもmade in Franceなんです。
メトロポリタンと呼ぶのは日本だけ?
フランスでは、このペンはHémisphèreの名前が付けられています。半球という意味で、英語でもHemisphereと綴りが同じです。
綴りが一緒ということもあり、英語圏ではHémisphère(またはアクセント記号なしでHemisphere)の名で販売されていますが、日本ではメトロポリタンの名に変えられています。
確かにhemisphereという言葉は外来語として馴染みがあるわけでもなく、そのままカタカナ読みをモデル名としても、今ひとつピンときませんよね。訳語の「半球」では変だし、名前を付け替えるしかなかったのでしょう。
ところで、よく「メトロポリタン エッセンシャル」と書かれていますが、1994年発売のものに対し、後に少しデザイン改良されたものがエッセンシャルと呼ばれているようです。
鉄ペンのメトロポリタン
万年筆で一番気になるのはニブについてでしょう。メトロポリタンはどの軸色でも全てスチールニブになります。
金色のニブには金メッキ(23金)が施されており、いわゆるゴールドニブではありません。
大きなWの文字。ニブのデザインがいいですね。
金ペンではないですがゴールドの色はなかなか豪華に見えます。
裏側から見たところです。
ちょっと太めな海外ニブ
メトロポリタンのニブの太さはF(細字)かM(中字)の2つから選べます。
私の万年筆はMニブです。
海外製の中字とあって、それなりの太さがあります。Mニブだと小さな字は書きにくいものの、万年筆ならではのインクの濃淡を楽しめます。
鉄ペンながら弾力のあるペン先です。力加減により軽くしなる感覚がありコントロールしやすい。上手な字が書けそうな気にさせられる(笑)ペンです。
上の試し書きはウォーターマンのセレニティブルーを使っています。
艶なしのマットブラック
メトロポリタンの軸は色に関係なく金属製です(グリップはプラスチック)。
いろいろな軸の色がある中、私が選んだのはマットブラックです。
ブラック軸は2種類、艶のある軸とマットな軸があります。
ペンの中央部分には金色リングがはめられています。マットブラックの艶消し軸に、キラキラのゴールドが目立ちます。
表にはWATERMANのロゴ。
裏にはフランスと刻まれています。フランス製です。
おしゃれな細身の軸
メトロポリタン万年筆の特徴は、細身で軽量なことです。
見ての通り細めなんですが、グリップ部分はもう一段階細くなります。
スマートな軸は見た目にはおしゃれですが、握りにくいと感じる人もいて、それぞれ好みがありますね。
気になる重さは?
重さについては、キャップを閉めた状態で23gあります。しかし重いのはキャップ(9g)であり、外せば14gと軽くなります。ペンにある程度の重さが欲しい方には、メトロポリタンは軽すぎるかもしれません。
キャップを後ろにはめることもできますが、後部が重くなりバランスがあまり良くないです。
ウォーターマン共通のクリップ
ウォーターマンのクリップは全モデルで共通の形をしています。クリップに一筋線を引いたような穴が開いているのがポイントです。
全筆記具でクリップが同じというと、パーカー Parkerの矢羽クリップが有名ですね。ウォーターマンの場合は同じと言っても、モデルによってクリップや穴の形が少し変わります。
上方から見るメトロポリタン。これがまた美しいです。
斜めにカットされた形がしゃれていて、細身の軸によく合っています。見る角度によって光り具合が変わり、つい見惚れてしまいます。
横から見たところです。
ウォーターマンのコンバーターを購入したわけ
万年筆を分解したのがこちら。私が購入した時には、青色カートリッジが1本付いていました。コンバーターはなしでした。
購入する店によって、コンバーターが付属している場合もあります。
ウォーターマン用のコンバーターを持っていなかったので、急いで専用のものを買いました。やはり万年筆は、いろいろなインクを入れて楽しみたいですよね。
ドイツ系のコンバーター(ファーバーカステル、オンラインなど)は家にあったのですが、フランスのウォーターマンとは合わないんです。ウォーターマン製のコンバーターがいるということで仕方なく購入したわけですが…万年筆のコンバーター事情、なかなか複雑です。
一応カートリッジも購入。4箱入りです。
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頭から離れないウォーターマン=アメリカの図式
フランスではウォーターマンのアリュールやインクカートリッジをスーパーで目にする機会が多く、フランスに根付いたメーカーなのだなと認識させられます。個人的にはウォーターマンというとどうしても浅田次郎氏の蒼穹の昴を思い出してしまいます。登場人物の一人であるアメリカ人記者が愛用しているのがウォーターマンの万年筆。ペンは剣よりも強し、彼の武器でもあります。
ウォーターマンの新システム万年筆がアメリカで発明されたのは1880年代初頭なので、話の筋からすると万年筆が発売されて割とすぐに入手したということになると思います。そうなんだ…初代のウォーターマンを使っていたのかあと空想にふけたり。まあ架空の人物なのであれこれ考えるのもなんですが。大好きな小説で何回も読み返しているのですが、それもあってどうもウォーターマンと聞くとアメリカをイメージしてしまう私です。