かっこいい「芯ホルダー」おすすめが知りたい! 海外メーカー編
こんにちは、クリポンです。
シャープペン好きが高じて、芯ホルダーにも食指が動いて数年経ちます。シャープペンほどではないものの、芯ホルダーにおいても国内・海外と様々なモデルがあります。見ていて興味が尽きません。
昔は芯ホルダーというと、専門性の強いイメージがありました。でもここ最近は手に取りやすい身近な製品が増え、固いイメージが取り払われつつあります。その結果、日常の筆記具として芯ホルダーを使う人が増えているようです。
今回は芯ホルダーにまつわるあれこれ、そして海外メーカーに的を絞り、おすすめのものをご紹介します。
予備知識からおすすめまで! 芯ホルダーのあれこれ
芯ホルダーとは?
芯ホルダーは言葉通りに理解すれば「芯をホールドするもの」。つまり芯を固定して支える軸のことを指します。その意味では、シャープペンも芯ホルダーということになりますね。
芯ホルダーという言葉に、明確な定義はありません。しかし扱う芯の太さが2mm未満のものはシャープペン、2mm以上になると芯ホルダーと呼ばれるようです。
ちなみに英語で芯ホルダーは「lead holder」と言います。日本やアメリカとは異なり、国によってはシャープペンと芯ホルダーという、言葉の区別がない場合もあります。
例えばフランスでは区別しません。芯の太さにかかわらず、シャープペンも芯ホルダーも同一の単語(porte-mine)を使います。
シャープペンのフランス語について解説しています。
主流は「ドロップ式」か「ノック式」
芯ホルダーの仕様は主に2種類あり、ノック式かドロップ式のどちらかになります。多くはないですが回転式も存在します。
ノック式
ノック式は一般のシャープペンのように、後部をノックすることで、芯が数ミリずつ繰り出されていきます。
こちらの写真は上がシャープペン、下が芯ホルダー。共にノック式です。
ドロップ式
多くの芯ホルダーはドロップ式を取ります。ペン先に備わった爪のようなもので、芯を挟んで固定します。
ノック式の良いところは、シャープペンのように少しずつ芯を繰り出せるので、手間いらずなことです。
他方、ドロップ式はノックすると爪がガバッと、芯の太さよりもずっと大きく開きます。そのため手で芯を支えないと、芯はストンと落下してしまいます。
個人的にはドロップ式が面倒だとは思いません。でもノック式の方が操作がスムーズであり、扱いやすいです。
世界初のドロップ式芯ホルダーは「カランダッシュ Fixpencil」
ドロップ式の芯ホルダーが世に初めて登場したのは1929年のこと。スイス・ジュネーヴ出身のカール・シュミット(Carl Schmid)によって作られた、全金属製ホルダーが最初です。
この芯ホルダーは「フィックスペンシル Fixpencil」と名付けられ、1930年にスイスの文房具メーカー「カランダッシュ Caran d’Ache」から発売されました。
実は芯ホルダーが生まれた背景には、鉛筆にするための杉の木の不足があったそうです。鉛筆の代わりとして、木を一切使わない筆記具を作らなければならなかったわけです。
フィックスペンシルは世界で初めて、軸の端から端まで全て金属で作られたホルダーなのです。
こちらでフィックスペンシルについて書いています。
芯ホルダーの選び方
芯ホルダーを選ぶにあたって、見た目の好みは重要ですよね。それに加えて、押さえておくと良いポイントが2つあります。
それは芯の太さ選びと軸のサイズ(太さ・長さ・重さ)です。
扱いやすいのは2mm芯
芯ホルダーとは2mm以上の芯を扱う筆記具です。実際、2mm以上の芯の種類は数多くあります。
中でも一番よく使われるのは2mm芯です。ほぼ鉛筆の芯の太さと同じなので馴染みやすく、鉛筆代わりとして好まれます。
また2mm芯は多くの需要があることから、国内メーカーの替芯や芯削りが安く買えます。しかしそれ以上の太さの芯となると、海外メーカーに頼らざるを得ず、芯などは少々値段が高めです。
コスパがいいのは2mmの芯ホルダーなのです。
でも機会があれば、2mmより太い芯を試してみるのもいいですよ。芯の太さが違うと、書き味がガラッと変わります。これが楽しくて、いろいろな太さの芯ホルダーを買ってしまうのですが。
ただ太さごとに替芯を揃え、芯削りも用意して…となるとちょっとした出費になります。その辺りのことも踏まえて、芯の太さを選ぶと良いでしょう。
芯の太さについてはこちらをどうぞ :
好みの軸の太さ・長さ・重さを選ぶ
シャープペンと同じように、芯ホルダーも製品によって軸の太さや長さ、重さに違いがあります。まずは自分の好みに合ったサイズのものを選ぶと良いかもしれません。好きではない軸の太さや重さは、後に使わなくなってしまう原因となりがちです。
芯はあとで好きなものを補充すれば良い
芯ホルダーを買うと、そのメーカーの芯が付属してきます。購入した芯ホルダーは気に入ったものの、付属の芯の濃さや書き味が気に入らない、という時もあります。
芯に関しては、後ほどお気に入りのメーカーの好きな硬度に替えれば良いのです。芯ホルダーの購入時には、付属してくる芯についてはそれほど考えなくて良いと思います。
おすすめの芯ホルダー 海外メーカー7選!
海外の筆記具ブランドには個性的な芯ホルダーが揃っています。
ご紹介するのは次の7つのメーカーです。
1) ステッドラー STAEDTLER
ステッドラーの「マルス テクニコ」780cです。
(ドロップ式、長さ:15cm、重量:13g) |
芯ホルダーといえば、まず名が挙がるステッドラー。細軸で軽量だけれど、グリップ部分に少し丸みを持たせることで、握りやすくなっています。
グリップあたりからペン先にかけて重みが感じられる低重心です。そのため特に力を入れなくても、その重みを利用してスラスラと書き進められます。
軸の色はブルーの他に、ブラックもあります。
詳しくはこちらに書いています :
ステッドラーにはノック式の2mm芯ホルダーもあります。少し重めのホルダーです。
(ノック式、長さ:14.3cm、重量:21.5g)
ステッドラー シャーペン 製図用 2mm シルバー 925 25-20
ステッドラー シャーペン 製図用 2mm ナイトブルー 925 35-20
2) ファーバーカステル FABER-CASTELL
ファーバーカステル芯ホルダーには3つの品番があります。TK9400、TK9500、そしてTK4600です。
下の写真はTK4600(写真上)とTK9400(写真下)です。
(TK4600 : ドロップ式、長さ:15cm、重量:12g) (TK9400 : ドロップ式、長さ:14.5cm、重量:10g) |
ファーバーカステルならではの深い緑色です。軽量で細軸であるのは鉛筆そっくり。まさに鉛筆で書いているような感覚の芯ホルダーです。
ところでファーバーカステルの芯ホルダーには、2mm芯用と3.15mm芯用があります。
2mm芯用は
- TK9400(クリップなし、芯研器なし)
- TK9500(クリップ付き、芯研器なし)
- TK4600(クリップ付き、芯研器付き)
3.15mm芯用はTK9400のみです。
分かりやすく表にするとこのようになります。
TK4600とTK9400について詳しくはこちらをどうぞ :
3) ロットリング rOtring
ロットリングの「ラピッドプロ 2mm芯」です。
(ノック式、長さ:14.5cm、重量:24g) |
ラピッドプロは全軸金属製で、24gと結構な重さがあります。でも上手く重量配分されているようで、疲れることなく気持ち良く書けるホルダーです。
詳しくはこちらに書いています :
ロットリングのシャープペンは「ラピッドプロ」の他に「300」「500」「600」「800」と品番のつくモデルがあります。
モデルの違いについてはこちらの記事にまとめています。
2mm芯用軸はかつてロットリング300、600、800にあったのですが、現在手に入るのは300のみのようです。
ロットリング「300」2mm芯 :
4) カヴェコ Kaweco
カヴェコスペシャルのペンシルです。
(ノック式、長さ:14cm、重量:20g) |
2mm以外にも0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mmがあります。8角形の軸で直径1mmの太さがあり、意外な!?握りやすさに驚きます。
カヴェコスペシャルの2mmは、他の芯径同様にノック式で使いやすいです。
こちらの記事で詳しく書いています :
カヴェコにはいろいろなモデルの芯ホルダーが多数揃っています。芯径は2mm以外にも芯径も、3.2mmや5.6mmがあります。
5) カランダッシュ CARAN D’ACHE
カランダッシュのフィックスペンシルです。
(ドロップ式、長さ:14.7cm、重量:11g) |
長年親しまれてきた、元祖ドロップ式芯ホルダーです。定番色があるほか、たびたび限定エディションが発売され、ファンを楽しませてくれます。小柄で使いやすいです。
詳しくはこちらをどうぞ :
6) コヒノール KOH-I-NOOR
チェコの文房具メーカー「コヒノール」の2.5mm芯ホルダーです。
(ドロップ式、長さ:12.8cm、重量:12g) |
数多くの芯ホルダーラインナップがあるメーカーです。芯ホルダーには珍しい!?鮮やかでおしゃれなものも多いです。
詳しくはこちらに書いています :
例えばこのような芯ホルダーがあります。探すと他にも色々とありますよ。
7) ラミー LAMY
ラミーのスクリブル 3.15mm芯です。
(ドロップ式、長さ:12cm、重量:26g) |
長さが短くて太い、ずんぐりむっくりなホルダーです。26gとかなりの重量があるのに、このホルダーは不思議にも、筆記時に重さを感じません。握りやすく書きやすいです。3.15mm芯の他に、0.7mm芯もあります。
(残念ながらスクリブルは廃番となっています)
詳しくはこちらに書いています :
芯折れ気にせずに書けるのがいい
いつの頃からか太い芯の魅力にはまり今に至ります。芯の細いシャープペンは無意識のうちにも、芯が折れないようにと神経を使うのですが、太芯ならその心配はいりません。思いっきり書きまくることができます。まだまだこれからも芯ホルダー熱は冷めやらず…探求が続きそうです。